La La Land
La La Land 観てきました。
監督はデミアン・チャゼル。
前作の『セッション』はあまり好きになれなかった。
よく言われてることですが、
音楽がまるで格闘技のように描かれていて、ちょっと入り込めなかった。
ラストのどんでん返しも、ちょっと無理があるような気が....。
で、『La La Land』だけど、
大好きな 『シェルブールの雨傘』とそっくりなお話。
でもやっぱり『シェルブール...』には遠く及ばないなと思いました。
美しさも、音楽も、演技も、演出も。。。
『シェルブール...』は何度観ても、号泣してしまう私ですが、
泣かずに観ることができてしまいました。
なんていうか『リア充向き』な感じで、過剰なものが感じられなかった。
演技の上手い役者たちが、うまく演じている感が最後までつきまとってしまった。
劇場を出るとき、ああ...『シェルブール...』が観たい!と思ってしまいした。
映画は、特にミュージカルは、もっとおバカであってほしい。
『座頭市』の北野武や『パリでかくれんぼ』のジャック・リヴェットなら、
事もなげに撮ってしまう、あのミュージカルでしかありえない瞬間が、
最後まで観られなかった。
無念です。
賞はたくさん獲りそうな映画ですがね。。。
君の名は。
こちらも大ヒットアニメ、『君の名は。』
遅ればせながら観てきました。
これは、なんていうか....
新しい映画だ。
PVに近い感じ。プロモーションビデオね。
もしくは予告編みたいな感じ。。。
途中から観ても泣けそう。
筋に関係なく音楽と画で泣かされた。
ぼくはわりと簡単に泣くんで、『泣ける=いい映画』とは思わないんです。
でも5分から長くても10分くらいのPVや予告編みたいなテンションと、
スピード感は気持ち良かった。
『この世界の片隅で』が、
片田舎の、い・か・に・も、といった古民家で、
かなーり待たされたうえに、
オーガニックだけど味が薄い自然食を食べさせられたあげく、
脱サラして田舎暮らしを始めたばかりのオーナーシェフの自慢話を聞かされる....
感じだとすると、
『君の名は。』は、
タコベルに似ている。
待たせません。いばりません。美味しいです。褒めてくれなくて結構です。
みたいな感じ。
化学調味料使ってますし.... みたいな。
この世界の片隅に
最近、話題になる邦画ってアニメばかり。
『この世界の片隅に』を観てきた。
感動した。
涙をこらえるので必死だった。
でも、果たして泣けて感動できる=いい映画、なのか。
私はこの映画をいい映画だとは思わない。
私はちょっと、狙いすぎ、と思った。
騒動の渦中にある、のんちゃんの声。
コトリンゴちゃんの音楽。
ジブリっぽい人物。
あまりにも、あまりにもじゃないか。
一言で言って、
あざとい。
なにやら、『ソトコト』でも読んでいるような気分になる。
この映画はクラウドファンディングで作られたんだそうだ。
エンドロールで『投資者』たちの名前が延々と映し出されるスクリーンを眺めながら、
お尻の辺りがムズムズしてくる。
居心地が悪い。
日曜日の教会に招かれたみたいな気分になってくる。
で、最後の最後に、この映画の醜悪さを象徴するようなものがスクリーンに...
これは言わないでおこう。観てください。
一箇所だけ、コトリンゴちゃんの歌う『隣組』が流れたとこが良かった。
あの漂うような、切なく、幼い声で歌われた『隣組』は、
ド・ド・ドリフの.... の能天気な替え歌の存在を押しのけ、
不気味で、恐ろしい歌に聴こえた。
のんちゃんとすずちゃんを悲しませるものの正体、
みたいに聴こえて。。。
沈黙 -サイレンス-
マーティン・スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』を観てきた。
159分。
長かった。
前作の『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』も長かったから、
なんとなく覚悟はしてたんだけど、長かった。
ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』が大好きだから期待してた、
ストーンズのドキュメンタリー『シャイン・ア・ライト』はやっぱり良かった。
ジョージ・ハリソンの『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』も
きっといい映画なんだろう。
まだ観てないけど。
普通の映画...といってもスコセッシはもう世界の『巨匠』だから、
大作ばかりなんだけど、
ドキュメンタリー以外の映画の感じは、
『巨匠』黒澤明監督の晩年に似てきたと思う。
一言で言えば長いのだ。
物理的にも、体感的にも。
スコセッシには音楽もののドキュメンタリーに専念してもらいたい。